
ノイズキャンセリング性能の比較レビューです。
今回はSONY WH-1000XM3とWF-1000XM3を比較し、どちらが優秀かレビューします。

製品紹介
まずはWF-1000XM3とWH-1000XM3について特徴を抑えておきましょう。
WH-1000XM3
2019年時点で、BOSE QC35と並びヘッドホンタイプで最高のノイズキャンセリング性能の評価を受けています。
WF-1000XM3
SONYのイヤホンでフラッグシップモデルにあたるハイエンドイヤホン。WHの「QN1」プロセッサーをイヤホン向けにチューニングした「QN1e」を搭載。
発売直後から品切れ続出の大人気ノイキャンイヤホンです。
試す環境
10畳の室内で実験します。もともと静かな上に壁からの音の反響もあるため、ノイズキャンセリング効果を発揮しずらい条件が揃っています。野外や広い場所での ノイズキャンセリング効果とは全く異なるのでご注意ください。
試す内容
試す音
室内での仕事や勉強中に使用するシーンを想定。再現のしやすい以下の4つの音を選びました。
強に設定した換気扇
壁をコツンと叩く音
人の声
iPhoneの着信音

台所にある少し大型の換気扇。
風量を最大の強にし、1mほど離れた位置で音を聞きます。

石膏ボードにクロスが貼られた住宅で一般的な壁。
軽くコツンと叩きます。

iPhoneのデフォルトの着信音(オープニング)で音量は中間に設定します。
1mほど離れた位置で音を聞きます。
auのCMです。音量を最大してノートPC(DELL Latitude9390)のスピーカーで聞きます。
ヘッドホン/イヤホン設定
両モデルともノイズキャンセリングの設定方法は同じでオンオフのみ、ノイズキャンセリングレベルを調整する機能はありません。
WH-1000XM3にはNCオプティマイザーと呼ばれる周囲の環境と輪郭や髪型、メガネの有無などに合わせてノイズキャンセリングを最適化する機能があるので設定します。
またWH-1000XM3はフォームウェアをVer.4にアップデートするとノイキャン性能が落ちるという情報があるため、Ver.2のままにしてあります。

ノイズキャンセリングモードをオン。
最適化も合わせて行います。

ノイズキャンセリングモードをオン。
実験結果
評価はイヤホンを付けない状態の音を100とし、無音状態を0と評価します。つまり音が半分くらいになれば50です。
体感的な評価で聞こえ方には個人差があるので、参考としてご覧ください。
換気扇
台所の換気扇を強にし、1mほど離れた位置で聞きました。
WH-1000XM3 | 20 |
WF-1000XM3 | 35 |
感 想
空調音はノイズキャンセリングで消しやすい音ですが両方とも音が残りました。
比較するとWH-1000XM3のほうがWF-1000XM3よりも低減されていることがはっきりとわかります。
台所の換気扇は扇が大きく音も大きいため、扇風機の音をWH-1000XM3で聞いてみましたが、扇風機の弱から中ならほぼ完璧に音を消すことが可能です。強だと換気扇ほどではありませんが少し聞こえます。
壁を叩く音
壁を軽くコツンと叩いて聞きました。
WH-1000XM3 | 75 |
WF-1000XM3 | 80 |
感 想
両方とも2割くらいは軽減されるもののハッキリと音が聞こえます。ノイズキャンセリングで雑音が消え静寂の中でむしろ音が目立ってしまう気すらします。音質は低音域が消え、乾いた音に変化します。若干ですがWH-1000XM3のほうが音が低減されているように感じました。
iPhoneの着信音
iPhoneの着信音を1mほど離れた位置で聞きました。
WH-1000XM3 | 85 |
WF-1000XM3 | 90 |
感 想
両方ともアクティブ・ノイズキャンセリングが効いておらず、イヤーピースの物理的なパッシブ・ノイズキャンセリング効果で少し音が軽減される程度です。
高音域の音に弱いアクティブ・ノイズキャンセリングの弱点が出た結果となりました。
若干ですがWH-1000XM3のほうが音が低減されているように感じました。
人の声
auのCMをノートPC(DELL Latitude9390)のスピーカーの音量を最大にして聞きました。
WH-1000XM3 | 85 |
WF-1000XM3 | 90 |
感 想
iPhoneの着信音の時と同じで、ほとんどアクティブ・ノイズキャンセリングが効いておらず、イヤーピースの物理的なパッシブ・ノイズキャンセリング効果で少し音が軽減される程度です。
iPhoneの着信音同様の弱点が出た結果となりました。
まとめ
実験結果は2つを評価すると着信音など高音域の音では少しWH-1000XM3のほうが上程度で差は少ないものの低音域になると、はっきりWH-1000XM3に分があります。
イヤーピースとイヤーカップの形状の違いによるパッシブノイズキャンセリング効果もあると思いますが、WF-1000XM3はWH-1000XM3に搭載されている「QN1」プロセッサーの小型版が搭載されているので、少し性能が劣るのかもしれません。
