SDカード 規格説明

大きさの違い

現在使用されているSDカードには2つの大きさのカードがあります。主にデジカメやハンディカムに使用されるSDカードと、SDカードの4分の1程度の大きさで主にスマートフォンやゲーム機などに使用されるmicroSDカードです。
microSDカードは変換アダプターを使えばSDカードとしても使用できます。microSDカード製品の多くに付属品で変換アダプターが付いています。

SDカードとmicroSDカードは大きさこそ違いますが、規格はほぼ同じです。

SDカードとmicroSDカード

SDカードの規格説明

ここからはSDカードの最大手SanDiskのmicroSDXCカードExtreme 400GBを例にSDカードの規格を解説します。microSDカードで説明しますがSDカードもほぼ同じです。SDカードの規格を知りたい方は、microSDの部分を適宜SDと置き換えてお読みください。

SanDisk Extreme microSDXCのパッケージとカード

パッケージとカードにV30、A2、Iなどいろんな数字やマークが載っていますが、これらがSDカードの規格マークです。

SDカードの規格はSDアソシエーションという規格団体によって策定されています。この記事では各規格の詳細までは説明しきれていません。詳しく知りたい方は SDアソシエーションWEBサイトの規格ページでご確認ください。

SDカードの主な規格

SDカードの規格は大別すると、書き込みや読み出しの最高速度を定義したもの最低保証速度を定義したものに分けることができます。
次の項から具体的に説明していきます。

最高速を定義したインターフェイス規格

Extremeのカードとパッケージには右記のアルファベットの「I」のマークが記載されています。
このマークはSDカードのインターフェイス規格の1つ「UHS-I」に対応していることを表しています。
UHSとは「Ultra High Speed」の略で現在主流になっているインターフェイス規格のひとつです。

インターフェイス・スピード規格について

SDカードのインターフェイスの規格で何を判断するかというと最高スピードです。規格は下記の表の通りで2018年に策定されたバージョン7の「SD Express」が最新の規格で最高スピードはなんと 985MB/秒で、SSD並みに高速化しています。

ただし現在のところ発売されているSDカードとデバイスが対応しているのは、バージョン4の「UHS-II」までです。

仕様 ver. インターフェース名称 マーク 最高スピード


1.01 ノーマル スピード 12.5MB/秒
2.00 ハイスピード 25MB/秒
3.01 UHS-I 104MB/秒
4.00 UHS-II 312MB/秒


6.00 UHS-III 624MB/秒
7.00 SD Express 985MB/秒

2017年策定のUHS-Ⅲや2018年策定のSD Expressに対応したSDカードやデバイスはまだ発売されていません。
現在発売されている現行モデルのSDカードとSDカードが使用できるデバイスは、UHS-IかUHS-Ⅱいづれかに対応していると思っていいでしょう。
価格の低いスタンダードモデルのSDカードがUHS-Ⅱに対応していることはほとんどありません。
SanDiskのmicroSDカードのラインラップでいうと、最上位モデルのExtreme PROのみがUHS-Ⅱに対応しています。

UHS-Ⅱ規格のExtreme PRO

各規格の最高スピードは上限です。対応したSDカードの全部でこの最高スピードが出るわけではありません。下位モデルの転送速度は低く、上位モデルは最高スピード近くまで出るのが一般的です。
またSDカードと使用デバイスの両方が規格に対応していないと規格のスピードはでません。
例えばUHS-Ⅱ対応で速度300MB/秒のSDカードをUHS-I対応のSDカードスロットを持つスマホに入れてもUHS-Iの最高スピードである104MB/秒が上限となります。

SDカードの選び方

SDカードの規格はカード選びの参考になりますが、PCやスマホ、タブレットの内部ストレージとして画像や動画などを置く場所として利用する場合、規格の意味を全て知らなくてもパッケージ記載の読取り(READ)と書込み(WRITE)の最大速度を確認するだけでも充分です。
Extreme は読取り最大90MB/秒、書込み最大70MB/秒です。
microSDカードでこの転送速度は比較的速いほうですが、使用するデバイスで最適なカードなのか確認してみましょう。
まず使用するPCやタブレットの内蔵カードリーダーが最高スピード312MB/秒のインターフェイス規格UHS-IIに対応しているか調べてください。対応していれば、Extremeではなく、Extreme PROなどUHS-II規格のなるべく速度の速いSDカードを使うのが理想的です。
UHS-IIに対応していなければ、UHS-IインターフェイスのSDカードの中から最大速度の速いカードを選んでください。Extremeもよい選択肢です。

スマートフォンのmicroSDカードスロットは2019年現在最新の機種でも、UHS-IIには対応していません。UHS-II対応の転送速度の速いSDカードを使っても上限はUHS-Iインターフェイスの上限104MB/秒でボトルネックになるので注意してください。
よってスマートフォンで使用するならUHS-IのExtremeはによい選択肢です。

宝の持ち腐れにならないよう使用する用途、使用するデバイスに合ったSDカードを選ぶことが重要です。

最低保証速度を定義したスピードクラス

スピードクラスは動画撮影のために策定された規格です。一般的にSDカードなどのフラッシュメモリデバイスは、書き込み速度にばらつきがあります。
動画を確実に撮影するためには一定のバッファサイズや書き込みに対する最低限の速度が必要です。スピードクラスはビデオ録画に必要な一定の速度を保証するための規格です。
ハンディカムやデジカメの取扱い説明書には推奨するSDカードのスピードクラスが載っています。デバイスのパフォーマンスに大きく影響する項目なので、しっかりチェックして推奨するクラス以上の性能のSDカードを選ぶことが重要です。
規格はSDカードの大容量化と高速化に合わせて「スピードクラス」、「UHSスピードクラス」、「ビデオスピードクラス」へと拡張し、全部で3つあります、策定が古い順に紹介していきます。

SDスピードクラス

1つめは2006年に策定されたSDスピードクラスです。Class10やC10と文字で表記されることもありますが、マークはクラスを表わすアルファベットCの中に最低保証速度の数字が入っています。
2から最大10まで4段階のクラスがあり読み書きの最低速度を保証。保証速度は数字の通りでクラス10なら10MB/秒です。Extremeはクラス10です。
一番古い規格で、現在では転送速度10MB/秒をクリアするのは当たり前のため、カードへの記載が省略されることが多くなっています。Extremeもパッケージにはマークの記載がありますが、カード本体には記載がありません。

最低保証 2MB/秒 最低保証 4MB/秒
最低保証 6MB/秒 最低保証 10MB/秒

UHSスピードクラス

2つめは2010年に策定されたUHSスピードクラスです。UHSは「Ultra High Speed」の略でU3と文字で表記されることもあります。マークはUltraを表わすアルファベットUの中に数字が入っています。
最低保証速度10MB/秒の「UHSスピードクラス1」と最低保証速度30MB/秒の「UHSスピードクラス3」があります。Extremeはクラス3です。
Extremeのパッケージとカード本体にマークが記載されています。
2012年以降に発売されたSDカード、スマホやデジカメなどの使用デバイスは、ほぼU1以上に対応しています。

最低保証 10MB/秒 最低保証 30MB/秒

ビデオスピードクラス

3つめは2016年に策定されたビデオスピードクラスです。
4Kや8Kの高解像度映像の記録を念頭に置いており、6MB/秒から90MB/秒までの5段階が定められています。
V30のように文字で表記されることもあります。マークはVideoを表わすアルファベットVの横に最低保証速度の数字が入っています。
ExtremeはV30です。
Extremeのパッケージとカード本体にマークが記載されていますが、比較的新しい規格のため現行モデルのカードでも対応していないことがあります。
SanDiskのExtremeの1つ下のグレードUltraにはビデオスピードクラスには対応していません。

目安として4K動画を撮影するなら最低でもV30以上、8K動画ならV60以上の性能のSDカードが必要です。
Extremeのパッケージに4Kと記載があるのはV30に対応しているからです。

最低保証 6MB/秒 最低保証 10MB/秒 最低保証 30MB/秒
最低保証 60MB/秒 最低保証 90MB/秒    

各規格の速度は最低保証速度です。Extemeのパッケージを見ると、書込最大70MB/秒とあるので、ビデオスピードクラスはV60ではと思ってしまいますが、最低保証する速度なので最大値より基準は厳しくなります。

その他の規格

アプリケーションパフォーマンスクラス

Android6.0以降、スマートフォンでSDカードを内部ストレージ化し、アプリをインストールすることが可能になりました。アプリを快適に使うにはシーケンシャルアクセス性能( 連続したデータへのアクセス)だけでなく、ランダムアクセス性能( 断片的に散らばったデータへのアクセス )の向上※1が求められます。
ランダムアクセス性能を規格化し、アプリを快適に使うために策定されたのがアプリケーションパフォーマンスクラスです。スピードクラスと同じで最低速度を保証する規格です。
スマートフォンやゲーム機など SDカード内にアプリをインストールすることのあるデバイスで使用する場合にはチェックしておいたほうがよい規格です。

ExtremeはA2です。 Extremeのパッケージとカード本体にマークが記載されています 。
※1 SDカードを画像や動画などのデータ置場としてダウンロードやコピーして利用する場合、シーケンシャル性能が転送速度に影響します。いっぽうランダムアクセス性能はアプリなどをSDカード内にインストールした場合、アプリの動作を速く快適にするために重要と覚えてもらえば大丈夫です。
カードのパッケージに記載されている読込や書込の最大〇MB/秒という数値はメーカーが測定したシーケンシャルアクセスの速度を表示しています。

アプリケーションパフォーマンスクラス規格一覧

A1とA2の2つがあります。さきほど、ランダムアクセス性能の規格と説明しましたがシーケンシャル性能も最低10MB/秒以上に規定されています。
シーケンシャル性能はかなり低めに設定されているので、実質的にはランダムアクセス性能を確認する規格と見ていいでしょう。

クラス マーク ランダムリード
最低処理速度
ランダムライト
最低処理速度
シーケンシャル
最低処理速度
A1 1500IOPS 500IOPS 10MB/秒
A2 4000IOPS 2000IOPS 10MB/秒

IOPSは1秒当たりに実行可能な「4KBリード/ライトコマンド数」で計算される単位です。数値が大きいほど処理速度が速くなります。

A2規格の性能を発揮するには、SDカードと使用デバイス双方のA2対応が必要です。2019年現在、SDカードのA2対応は進んでいるものの、A2対応するデバイス(スマートフォンやゲーム機)がほとんどありません。A1対応のデバイスにA2対応のSDカードを使用してもA1の性能しか出すことはできません。
またA1対応のSDカードでもベンチマークの結果ではA1の最低処理速度の2倍以上の速度が出るカードが多く、またA1対応デバイスではA1対応のSDカードのほうがA2対応カードよりも速度が出る場合もあります。A2対応のデバイスが普及するまではA1かA2の違いは重要ではありません。

カード容量の規格

SDカードは容量の大きさによってmicroSD・microSDHC・microSDXCの3種類に分かれます。

規格名 マーク 容量
microSD
SD
~2GB
microSDHC
SDHC
4GB~32GB
microSDXC
SDXC
64GB~2TB

この記事で例にあげているExtremeは容量が400GBなので、microSDXCカードです。
現在発売されているデバイスは、ほとんどがSDXCに対応しています。デバイス側の後方互換は確保されているので、使用デバイスがSDXCに対応していれば、SDDHC、SDのSDカードも使えます。もしお使いのデバイスが古いもので説明に2GBもしくは32GBまでのSDカードに対応と記載があれば、SDXCに対応していない可能性があるので注意が必要ですが、最近のデバイスならあまり気にしなくてもいい規格です。

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