Huawei FreeBuds 3 ノイキャンイヤホン使用レビュー

2019年のノイズキャンセリングイヤホンを振り返ると7月にSONY WF-1000XM3、10月にApple AirPods PROが発売され、いづれも過去最高といっても過言ではない大ヒット。ノイズキャンセリングイヤホンの当たり年になりました。
その2019年最後を飾ったのが11月29日に発売されたHuaweiのFreeBuds 3。独特のコンセプトを持ったノイキャン機能付き完全独立型ワイヤレスイヤホンです。

約一ヶ月ほど使ってみたHuawei FreeBuds 3 のレビューです。

左からWF-1000XM3、FreeBuds 3、AirPods PRO

2019年に発売された3つのモデルを並べるとSONY WF-1000XM3のバッテリーケースの大きさが目立ちます。イヤホン本体も大きく重く、耳への負担がかかります。あくまでも他の2つと比べてしまうとですが・・・。次期モデルでどこまでサイズダウンできるかに期待です。
FreeBuds 3はイヤホン本体をAirPodsに似せ過ぎたので、充電ケースくらいは円形で個性を出そうとしたのでしょうか。そんな思惑があるようにも思えます。

基本スペック

Huawei FreeBuds 3
接続:ワイヤレス
装着タイプ:左右分離独立型
バッテリー持続時間: 4時間(NC OFF時)
重量:4.5g × 2

価格:18,800円(税別)

世界初のオープンフィット型ノイズキャンセリングイヤホン。骨伝導通話でクリアな通話が可能。14mmダイナミックドライバー搭載でコンパクトサイズながら高音質。バッテリーの持ち時間は短め。


出典:huawei.com
出典:huawei.com

AirPodsの広告ではありません。一見するとAirPodsと言われても気づかないフォルムですが、機能や中身は良くも悪くも似ていません。

付属品一式

付属品を確認します。化粧箱はAirPods PROの箱をちょうど2個並べたくらいの大きさですが、付属品はイヤホン本体と充電ケース、USB Type-Cケーブル、クイックスタートガイドなどの説明書です。ACアダプタや充電器は付いていません。
箱のサイズは大きいですが、付属品はAirPodsとほぼ同じです。

FreeBuds 3 同梱物一式と手前はAirPods PROの箱

ノイズキャンセリング性能

FreeBuds 3のノイズキャンセリング性能の評価は非常に難しい、それが本音です。ノイキャン性能重視の人には正直言って向かないレベルだと思いますが、ノイキャンのオンとオフでしっかりと周囲の音を低減していることはわかります。
効きが悪いぞと、いろいろと突っ込もうかとも思ったのですが、耳穴を遮閉することが重要なノイキャンイヤホンにとって、 開放型でノイキャンを効かせていること自体が画期的。頑張っているのは確かで、事前の予想より上でした。
Huaweiは周囲の騒音を最大15dB(デシベル)低減できるとリリースしています。15dbをどのくらいの遮音効果か表現するのは難しいですが、薄い壁を挟んだくらいの効果はあります。どこかのメーカーのように業界最高クラスなどと謳っていたら、批判的にならざるを得ませんが、確かにその程度は効いてますねという感じです。

ノイキャンレベルをコントロール

HuaweiのAI Lifeアプリを入れれば、ノイキャンの調整が可能になります。しかし、アプリはandroid版のみでiOS版のアプリはありません。

AI Lifeアプリの設定画面

赤矢印の先の青い丸をドラッグするとノイキャンレベルの調整が可能です。一般的なイヤホンのノイキャンレベル調整は10段階くらいのレベルで徐々にノイキャンの効きを強めるようなものですが、FreeBuds 3の調整は円の中をぐるぐる360度回して最適なポジションを見つけてくださいというもので、変わっています。
そして、どこが最適なのかよくわからないという状態に陥ります。
初期設定は上の画像の赤矢印の1の地点、時計でいう0時の地点ですが、ここが一番効果が高いようです。iPhoneで使用する場合は、この初期設定のまま使用することになりますが、通常変更する必要はないでしょう。

他のノイキャン付きモデルとの比較

他のノイキャンイヤホンと比較すると、体感的にQC30を10とするならWF-1000XM3が9、AirPods PROが8、そしてFreeBudsは5といったレベルです。
残念ながら、そのくらいの差はあります。
さらに下を加えるなら、 WF-1000XM3の前モデルの評判の悪かったWF-1000Xは3です。

サウンド

メーカーのアピールとして14mm径ダイナミックドライバーを採用し、低域を強めるベースチューブ構造により、低音を増強していると謳っています。
開放型イヤホンのサウンドは構造的に中音から高音域に強いのが特徴です。AirPodsなんかもそうですね。低音も出るなら、高音質間違いなしと期待してしまいます。
実際に聞くと中音域はよく出てると感じましたが、低音はやはりちょっと軽いかなという印象。WF-1000XM3あたりと比べると明らかに劣ります。この小さい筐体ではしょうがない面もありますが、その点は期待しただけに少しガッカリしました。
イメージとして音質はAirPodsに近いので、AirPodsからの乗り換えだと違和感は少ないと思います。

イヤホン内部
出典:huawei.com

接続安定性

なかなか同一の条件で比較するのが難しいのが接続性能です。イヤホンを装着し、両手でイヤホンを塞いだところ、音が少し途切れました。
WF-1000XM3やAirPods PROでは途切れません。接続安定性でも酷評されたWF-1000Xはもっとブツブツ途切れたましたが、嫌な感じがします。
しかし、実際に駅やショッピングセンターなど人の多い場所で使用してみると、試した回数は少ないものの、安定していました。混線した状態でも心配するほど悪くはなさそうですが、特筆するほど良くもなさそうです。

名古屋栄駅で接続は安定していました

通話品質

イヤホンを使った通話はほとんどしないので、個人的には重要なポイントではないのですが、通話の際の声のクリアさはイヤホン史上過去最高レベルといっても過言ではありません。骨伝導センサーで音声を収集しているのが、このイヤホンの特徴ですが、しっかりと効果が出ています。
また風の強い場所での通話も風切り音を防ぎ、周囲の音が入るのを防いでいます。
「20km/hの状況でも、離れた場所にいる相手と会話をクリアに楽しめる」とメーカーが説明していますが、その文句に偽りなしと評価できます。
ハイエンドモデルでも風切り音を防ぎきれないイヤホンが多いので、通話音質を重視する人にはお勧めです。

使いやすさ

FreeBuds 3は先にも触れたようにiOS用の専用アプリはありません。iPhoneでも手動でペアリングして使用することはできますが、タップの割り当ての変更など操作をカスタマイズすることはできません。初期設定のまま使用することになります。今後のアプリのアップデート次第ですが現状では設定で変更したくなるような機能はアプリには皆無なので気にしなくてもよいと思います。
iPhoneで設定を変更して使用したい場合は、androidのAI Lifeアプリで設定を変更すれば、その変更はiPhoneでも引き継がれます。

Huawei製のEMUI 10以降のシステムを搭載したスマートフォンなどのデバイスは近づけるだけでiPhoneとAirPodsのように自動でポップアップが開きタップするだけでペアリングされます。またイヤホン装着の自動検知が働き、自動で再生を止めたり、ほぼAirPodsのような使い方が可能です。
しかし、 Huawei製 でもEMUI 10以降へのアップデートが開始されているデバイスは限られているので、注意してください。わたしの持っているP20 Liteは今のところ対応していないため、近づけても反応しません。

P20 LiteはEMUI 9.1が最新

操作はタップとダブルタップだけで簡単ですが、使える機能は多くありません。
WF-1000XM3はイヤホン全体の中でも多機能なので比較するのはかわいそうですが、標準的なAirPods PROと比べても、設定できる機能は少ないです。

一般的なイヤホンにあってない機能をあげると、イヤホンを外したときに自動で電源オフにすることができません。電源を切るには充電ケースへ戻すしかありません。
そして少し変わっているのが、再生コントロールで前の曲へ戻るメニューがありません。

使いやすさは、Huawei製 EMUI 10以降のデバイス使っている人には便利と言える機能がありますが、それ以外の人には特に可もなく不可もなく特徴がありません。

バッテリーの持ち時間

バッテリーの連続使用時間はカタログ値で4時間(ノイキャンオフ時)です。なぜかHuaweiはノイキャンをオンにした時のカタログ値を公表していませんが、実際にはノイキャンをオンのまま使用する人がほとんどだと思います。
ノイキャンをオンの状態で実測したところ、3時間前後の結果になりました。同じ条件でAirPods PROなら5時間以上、WF-1000XM3でも4時間以上、実測で使用できることを考えると残念な結果です。
FreeBuds 3をフォローすると、他の2つと比べて小さい筐体サイズのため容量の大きなバッテリーを積むことができません。電力消費も高いノイキャンイヤホンということを考えれば、連続使用時間が短いのもトレードオフでしょうがないかなという気もします。

充電時間はイヤホン本体は充電ケースに入れて約1時間でフル充電されます。これはAirPodsが約30分でフル充電されることを考えると遅いです。
充電ケースのほうもイヤホン本体と同じ約1時間でフル充電されます。AirPodsの充電ケースは約2時間かかるので、充電ケースへの充電は速いです。

またHuaweiのMate 20 Proのワイヤレス給電機能を使ったワイヤレス充電が可能です。SamsungのGalaxy S10などにもワイヤレス給電機能がありますが、公式に対応しているのは今のところMate 20 Proのみです。おそらくGalaxy S10からも充電できると思いますが、持ってる人以外には関係ない機能ですね。

装着感

見た目はほとんど、AirPodsと同じ形。重量も軽く、装着感もかなり似ています。ノイキャン機能付きで、この圧迫感のなさは驚きです。長時間付けても蒸れたり痛くなったりすることはありません。これは他にない大きなメリットです。
しかし、装着感はAirPodsに非常に近いものの、耳の穴にアジャストできる範囲はややAirPodsのほうが広いと思います。というのも、わたしの場合、右はほとんどのメーカーでMサイズのイヤーピースが合うのですが、左はMとLのサイズの中間くらいのサイズです。AirPodsは3時間続けて付けていてもほとんど、イヤホンの装着が緩くなったりしないのですが、FreeBuds 3は1時間くらい付けていると微妙に左が緩んでいます。

重量や全体的なフォルムは似ているものの、耳へ入れるハウス部分は両者で異なる形状をしています。
開放型はイヤーピースで調整できない分、耳へちゃんとフィットするかが重要です。さらにFreeBuds 3はノイキャン機能が付いているので、事前に自分の耳にフィットするのか試してから購入することをお勧めします。
個人的にはAirPodsのほうがジャストフィットするものの、耳の穴の形によっては、FreeBuds 3のほうがピッタリ合う人もいるはずです。

AirPods(左)との比較
AirPods(上)と微妙に違うハウス(耳へ挿入する部分)形状

まとめ

使ってみた感想を一言でいうと予想以上。メーカーの説明通りの性能をほぼ発揮しています。なかなかないことです。
カテゴリとしてはノイズキャンセリングイヤホンに入りますが、購入する際の対抗候補はAirPodsになると思います。
ノイキャン性能を重視する人には、ノイキャンの効きが物足りないのは否めません。他メーカーのハイエンドモデルとノイキャンの効き具合を比較すると、その差は明らかです。
AirPodsと比べると音質は互角に近く、装着感も似ていますし、ワイヤレス充電にも対応しています。通話品質はAirPodsよりも上、さらにノイキャン機能付きです。
AirPodsのワイヤレス充電モデルの価格は22,800円(税抜)。いっぽうFreeBuds 3は18,800円(税抜)です。
Huawei製品ということを考えると、価格も時間の経過と共に下がるでしょうし、コスパは悪くありません。
AirPodsの購入をお考えの方に、候補として試してみることをお勧めします。個人的には自分の耳にフィットするなら、FreeBuds 3を推します。

FreeBuds 3とAirPods(右)
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