microSD 偽物カードの見分け方 Lexar 633x 512GB編

  • 2019年11月27日
  • 2019年12月8日
  • SDカード
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上のLexar 633x、Lexar 1000x、2つのmicroSDカードは偽物です。不覚にも某オークションでmicroSDの偽物を落札してしまいました。せっかくなので落札した偽物のLexar 633x 512GBを例にmicroSDの偽物の見分け方を解説します。

最近はおかしいところ満載のあからさまな偽物以外にも精巧な偽物も出回っています。通販やオークション・フリマなどで海外版の安いmicroSDカードを購入する際の参考にしてください。

今回の偽物は一見しただけは偽物と見極めるのは困難。容量の偽装も手の込んでいるものでした。

偽物 Micron Lexar 633x 512GBの概要

Lexar
633x 512GB

型番:記載なし
容量:512 GB
読取り速度:最大95MB/s
書込み速度:最大60MB/s
スピードクラス:C10 U3
カードタイプ:microSDXC
保証:記載なし

Micron Lexar microSD 633x 512GBがターゲットです。
早速ですが、おかしな点があります。
Lexarはアメリカのメジャーな半導体企業Micron傘下のSDカードを中心としたブランドでしたが、2017年にLexarブランドの事業を中国のLongsysへ売却しました。
Micron社が売却した2017年当時、まだどのメーカーからも512GBのmicroSDカードは発売されていませんでした。最初に512GBのmicroSDカードが発売されたのは2018年の2月です。つまりMicron社製Lexarブランドの512GBのmicroSDカードはそもそも存在しません。

右は本物、左が偽物のMicron Lexar 633x 512GB パッケージ

上の画像のパッケージに512GBの文字はありませんが、左はMicron社のロゴ入りで512GBとして販売されていました。存在自体がフェイクです。右は正規品の633x 128GBのパッケージです。本物が存在しないので、このmicroSDカードで比較しますがMicron社時代に発売されたLexarブランドのmicroSDカードはおそらくこの128GBが最大容量だと思います。
注意してほしいのは、事業譲渡されたLongsysからMicron社時代と同じ製品名「Lexar 633x」で512GBのmicroSDカードが2018年に発売されています。Micron社製Lexarは偽物でもLexarと名のつく512GBのカードが全て偽物というわけではありません。
偽物を見分けるポイントはMicronという社名がLexarブランドの256GBや512GBのmicroSDカードのパッケージや説明に入っていたら偽物確定です。

偽物のパッケージをチェック

偽物と本物のパッケージを比較し、違いを見つけます。下の画像は偽物パッケージで一番左は1000xの偽物です。633xの偽物と同じパッケージが使い回されています。

偽物パッケージ
本物パッケージ

偽物のパッケージは、複数の偽物モデルで同じパッケージを使うためなのか、容量、モデル名、型番とバーコード、3つの表記がありません。

裏面の文字やマークを確認すると、いくつかおかしな点を発見しました。下の画像でおかしな箇所を赤で着色したので、画像をご確認ください。
まずパッケージの他の箇所には95MB/sの転送速度が記載されているのに裏面下部の説明には「Up to 45MB/s 」と記載があります。偽物のパッケージでは高確率でこのミスが見られます。
次にスピードクラスのの表記です。microSDカード本体には「U3」と印字がありますがパッケージでは「U1」となっています。
そしてコピーライトの「2015 Micron」ですが、前述した通り、512GBのカードは2015年には存在しないので間違いです。

パッケージ裏面、赤く着色した部分に注目

パッケージの裏面を見ると左端にハサミの切り込み用の点線のガイドがあります。
ここを切れば開封できるのかと思って切ってみましたが、できません。偽物特有の粗悪な作りかと思いきや、本物のパッケージにも同じように切り込み用のガイドがありますが、同じように開封できません。
上部分を切ると開封できますが、こんなところまで本物と合わせる必要はないですね。

上からならハサミを使わなくても開きました

偽物のmicroSD本体をチェック

偽物と128GBの本物を比較しても、違いがわからないくらいに精巧で判別は不可能でした。

左が偽物、右が本物

パッケージも質感は、かなり本物に近かったのですが、表記に間違いがあり、しっかり確認すれば偽物と容易に判別ができました。しかし、カード本体に全く不審な点はありません。
多くの場合、偽物はフォントが微妙に違っていたり、印字が荒かったり、なにかしら違いがあるものですが、ここまで精度が高い偽物は珍しいです。

H2testwで容量と転送速度をチェック

偽物のSDカードの多くは容量を偽装しています。PCのプロパティで容量を確認するだけでは偽装SDカードの本当の容量を知ることはできません。
SDカードの全容量に書き込みと読み込みを行ってデータの整合性をテストし、容量偽装されていないか確認できるWindows用アプリ「H2testw」を使い、容量と転送速度をチェックします。

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PCでは499GBと認識

PCのプロパティでは499GBと認識されました。簡単に偽装できるので、この表示はあてにはなりません。次にH2testwのテスト結果です。

英語表記なので、わかりづらいかもしれませんが、画面上部左上の「Writing」が読込テストでかかった時間は6時間57分、右上の「Verifying」は読み込んでデータを検証するテストでかかった時間は10時間20分、合計17時間以上も全ての領域をテストするのにかかりました。
書込み速度は20.4MB/s、検証時の読込み速度は13.9MB/sです。偽物カードなのでしょうがないですが転送速度もパッケージ表記の95MB/sより遅いです。

真ん中の部分がテスト結果の詳細で、赤背景でなんらかのエラーがあることを示しています。下が赤背景のメッセージ内容です。赤文字の部分の意味がわかれば、およその内容が掴めます。

Warning: Only 511974 of 511975 MByte tested.
The media is likely to be defective.
14.6 GByte OK (30722359 sectors)
485.3 GByte DATA LOST (1017800393 sectors)
Details:0 KByte overwritten (0 sectors)
0 KByte slightly changed (< 8 bit/sector, 0 sectors)
485.3 GByte corrupted (1017800393 sectors)
0 KByte aliased memory (0 sectors)
First error at offset: 0x00000003a9926e00
Expected: 0x00000003a9926e00
Found: 0x60becb9fb2f59403
H2testw version 1.3
Writing speed: 20.3 MByte/s
Reading speed: 13.8 MByte/s
H2testw v1.4

上から順に説明します。

「Warning: Only 511974 of 511975 MByte tested.」は、511975MBのうち511974MBしかテストできません。つまり1MB分テストできませんという警告です。これは正常なSDカードでもよく出るので気にしなくても大丈夫です。

「14.6 GByte OK 」は、14.6GBは正常に書込み・読込みができたということです。
「485.3 GByte DATA LOST」は485.3GBデータ消失かデータが破損しているということです。つまり、このmicroSDカードの実際の容量は16GBで512GBに偽装していたことがわかりました。

まとめ

この記事でご紹介したLexarの偽物SDカードを購入してしまった原因は、まず商品画像がSDカード本体のアップ画像しかなく、パッケージで詳しい情報が見れなかったこと、価格が安いのはMicron時代の古いカードなので在庫処理的な理由で安いんじゃないかと想像してしまったこと、出品者の評価で同じSDカードで「非常によい」の評価しかなかったこと。この判断材料で偽物を購入してしまいました。

2019年11月現在、オークションやフリマでLexarの偽物microSDカードが数は少ないものの流通しているのを確認できました。堂々と裏面の小さい文字まで読める状態で出品しているものもありました。おそらく出品者自身も偽物と知らないのでしょう。

少し怪しいと感じる安いSDカードを購入したら、まずパッケージの表記をよく確認してみましょう。偽物は限りなく100%に近い確率で表記ミスが見つかります。
そして記事でご紹介した容量テストアプリ「H2testw」を使って容量チェックをするか、短時間で終わらせたいなら転送速度を計測するベンチマークアプリ「CrystalDiskMark」で転送速度のチェックを行ってみてください。
偽物は転送速度も遅いので、転送速度のチェックだけでも、ほぼ判別が可能です。

偽物かどうかの判断は、販売者が実際の製品のパッケージの詳細までわかるような画像を載せていれば、判別もできますが、そういった販売者は少数です。ご注意ください。

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