AirPods PRO WF-1000XM3 FreeBuds 3 ノイキャンイヤホン3機種比較レビュー

2019年はAppleからノイズキャンセリング機能の付いたAirPods PROが登場したことにより、 ノイズキャンセリング機能に注目が集まった年になりました。
AirPods PRO以外にも7月にSONY WF-1000XM3が発売され、大ヒットを記録。さらに11月にはHuaweiからもFreeBuds 3が発売されました。こちらはややマイナーな存在ですがノイズキャンセリングイヤホンの当たり年といっていいでしょう。

2019年に発売された 左右分離完全独立型ノイズキャンセリングイヤホン3機種の比較レビューを行います。
各機種の詳細は個々の機種のレビューで紹介することにし、違いや特徴を中心に解説していきます。

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基本スペック

WF-1000XM3

SONY WF-1000XM3
接続:ワイヤレス
装着タイプ:左右分離独立型
バッテリー持続時間: 最大6時間
重量:約8.5g × 2

オープン価格
ソニーストア価格:25,880円(税別)

出典:sony.jp

ハイレゾ級の音と業界最高クラスのノイキャン性能。SONYの毎度お馴染みのキャッチコピーで登場。最高という言葉を使って煽りたがるメーカーです。

AirPods PRO

Apple AirPods PRO
接続:ワイヤレス
装着タイプ:左右分離独立型
バッテリー持続時間: 最大4.5時間(NC ON時)
重量:約5.4g × 2
価格:27,800円(税別)

出典:Apple.com

「こんな魔法聞いたことがない」Apple初のノイキャン機能付きイヤホンです。魔法とはノイキャンのことでしょうか、聞いたことがある人は多いんじゃないでしょうか。AppleはMagicMouseにMagicKeyboard、魔法をかけたがるメーカーです。でもMagicPodsではありません。

FreeBuds 3

Huawei FreeBuds 3
接続:ワイヤレス
装着タイプ:左右分離独立型
バッテリー持続時間: 4時間(NC OFF時)
重量:4.5g × 2

価格:18,800円(税別)

出典:huawei.com

見た目はPROじゃないほうのAirPodsとそっくりなうどん型。しかし中身は独特のコンセプトを持った世界初のオープンフィット型(いわゆる開放型)ノイキャンイヤホン。スマートフォンでは既に王道を歩き始めたHuaweiですが、イヤホンでは隙間産業的にニッチな層を狙っているのでしょうか。

外観

イヤホンは見た目も重要です。WF-1000XM3は表面がマットな仕上げ、他の2つは素材もよく似たよくある従来タイプの光沢仕上げです。フォルムは三者三様ですが、デザインは好みもあるので評価はしません。
FreeBuds 3とWF-1000XM3にはブラックのカラーバリエーションがありますが、FreeBuds 3のブラックと光沢仕上げのマッチングは正直イマイチ。イヤホンは触ることの多いデバイスなので指紋でベタベタになり、傷もここにありますと主張してくるので黒光りするものが好きな人以外には全くお勧めできません。

3機種を比較すると目立つのは WF-1000XM3の大きさです。重量は8.5gもあり、最も軽いFreeBudsの4.5gに比べ倍近くあります。新しいモデルは小さくなっていくものですが WF-1000XM3は前モデルのWF-1000Xよりも大きく重くなっており、次期モデルではライバルに対抗する意味でもサイズダウンに期待します。

充電ケース

充電ケースもWF-1000XM3がイヤホン本体同様大きいです。厚みもあるため体積で見るとAirPods PROの約倍の大きさです。一般的な充電ケースと比べると WF-1000XM3 もやや大きいくらいのレベルですが、他の2機種が小さいだけに並べると目立ちます。

3機種と下段はAirPodsの充電ケース

充電ケースの開閉や収納は3機種ともカチッと磁石でくっ付くタイプで充電ケースの使い心地はいづれも遜色ありません。

強いて気になる点をあげるとすれば、AirPods PROです。ケースからイヤホンを取り出す際にAirPodsを使っていた方は、イヤホンの両サイドを摘まんで取り出そうとします。FreeBudsはAirPodsと同じで両サイドを摘まめば取り出せますが、AirPods PROは両サイドを摘まむと滑ってうまく取り出せません
下の画像の赤いの部分、ケースの奥から前後を摘まめばスムーズに取り出すことができます。

左はFreeBuds 3、右はAirPods PROを取り出す時に摘まむ位置

音の良さ

WF-1000XM3の音は、よほどこだわりのある人を除けば誰が聴いても良いと言うでしょう。
SONYのハイエンドイヤホンの音はどの音域もよく出ていて本当に安定感があります。
AirPods PROもAirPodsよりは良くなっていますが、WF-1000XM3と比較すると特に低音域で負けている感じが否めません。
FreeBudsは、ほぼAirPodsと同じといっていいと思います。
音に関しては正直好みの問題が大きいので深く突っ込みませんが、音の迫力に関してWF-1000XM3の筐体サイズの大きさは優位ですし、逆にFreeBudsのような小さい筐体では不利なことも考慮しておきましょう。

3機種の中で音に関する機能で特徴的なのがWF-1000XM3のイコライザー機能です。使用するアプリはSONYのイヤホン・ヘッドホンユーザーにはお馴染みのアプリ「Headphones Connect」で好みの音質に変更することが可能です。他の機種ではこういった設定はできません。
音質にこだわるならWF-1000XM3が一歩ではなく二歩リードしていると言えます。

AirPodsの設定画面とSONY Headphones Connect

3機種の中でWF-1000XM3のみイヤーピースを他社製の自分好みのものに変更できます。 イヤーピースを変更すると付け心地だけでなく、高音もカスタマイズすることが可能です。

ノイズキャンセリング性能

これまでのイヤホンなら音質重視で選ぶ人が多かったと思います。しかし、この3機種に注目している人が最も興味を持っているポイントはノイキャン性能でしょう。

ノイキャン性能だけを個人的な体感で単純に数値化して比較するとWF-1000XM3が一番上で10とすると、次にAirPods PROが8、少し差がひらいてFreeBuds 3が5というのが私の評価です。

しかし、Amazonや各サイトのレビューを見ると、AirPods PROのノイキャンの評価が平均的に高くなっています。これには理由があります。ノイキャン性能を発揮する上で最も重要なのが耳とのフィット感です。どんなに音を打ち消す性能が高くても、耳とイヤホンの間に隙間ができているとその隙間から周囲の音が入ってくるため、せっかくのノイキャン効果が台無しになります。
AirPods PROは付属のイヤーピースが実によく出来ています。よく出来ているという意味は付属品のイヤーピースでアジャストできる耳の範囲が広く、耳の穴の大きさや形を選ばない。つまり、万人向けでハズレが少ないのです。AirPods PROはカナル型のイヤーピースですが傘が薄く、耳の穴に深く挿すのではなく、被せるようなイメージです。どちらかというとBoseのイヤーピースに近いタイプです。

イヤーピースの違い、左は社外品のイヤーピース

いっぽう私が、3つの中で最もノイキャン性能が良いと評価するWF-1000XM3の付属品のイヤーピースは、同じカナル型でも耳の奥に深く挿すタイプです。AirPodsのイヤーピースと比較すると傘が長いのがわかります。この形状は耳の穴の形によって合わない人が出てくる確率が上がります。付属品のイヤーピースでフィットする人には最高のノイキャン性能を発揮するものの合わない人はノイキャンの効果をあまり感じることはできません。
ただAirPods PROと違い、イヤーピースは専用品ではなく一般的なイヤーピースの形状なのでサードパーティ製のイヤーピースと交換することで、効果を高めることが可能です。

社外製イヤーピースでカスタマイズ

わたしは付属品のイヤーピースが合わなかったこともあり、左はAZLA社のSednaEarfit Light ShortのMサイズ、右はAcoustune社のダブルフリンジ形状のAET06のM+サイズを使用しています。
左右で変えているのは、耳の穴の形が左右で少し違っているためです。
より高いノイキャン効果を得るには、わたしの場合、COMPLY社のTSがベストですが、3カ月程度で交換が必要になるくらいの耐久力しかありません。常用するにはコストがかかること、さらにフィットし過ぎて長時間使用すると少し違和感が出るので普段はあまり使用していません。しかし、最高のノイキャン効果に仕上げることが可能です。

FreeBuds 3は開放型のイヤホンのため、耳穴を完全に遮閉することが困難です。元々のノイキャン性能も低いと思います。他の2つと比較すると残念ながらレベルは明らかに劣るものの、開放型でもここまでできるんだという驚きもありました。

ノイキャン効果をまとめると、万人に高パフォーマンスを発揮するAirPods PRO、合わない人もいるが耳穴に合えば、より高いパフォーマンスを発揮するWF-1000XM3、音楽を少しクリアに聴きたいなという人に向いているFreeBuds 3といった感じです。
ただし、断っておきますがAirPods PROも耳の形によっては合わない人もいます。

出典:sony.jp

使いやすさ

まずペアリングですが、AirPodsとApple製デバイス、FreeBudsとHuawei製デバイスのように同一メーカー同士なら近づけるだけで画面上にポップアップが出てペアリングが完了できたり、便利な機能もありますが、手動でペアリングする作業もそれほど手間ではなく、ペアリングは初回だけで2回目からは自動的に接続されるので差というほどのものではありません。

操作的な違いはタップ(WF-1000XM3とFreeBuds 3 )かボタン(AirPods PRO)かです。AirPods PROは感圧式のボタンで押し込む動作が慣れるまではやや違和感がありました。

機能はWF-1000XM3が最も豊富です。次いでAirPods PRO、そしてFreeBuds 3の順に機能が少なくなります。
イヤホン本体から操作できる機能が多ければ、覚えるアクションも増えることになり少しややこしく感じ、機能が少なければ使いやすく感じます。
WF-1000XM3 はタップの種類にシングル、ダブル、トリプル、長押しと4種類もありますが、慣れてしまえば、機能は多いほうがよいと感じることでしょう。

機能で特徴的なのは、この中ではイヤホン本体からWF-1000XM3のみ、音量の調整が可能です。

装着感

装着感では開放型のFreeBudsが一番。イヤホン本体の重量も軽く、耳への負担も少ないです。AirPods PROもカナル型のイヤーピースながら、軽い付け心地で長時間付けていても負担になりません。WF-1000XM3は重量も重く、耳穴で支えてる感があり、装着感は最も悪いです。

開放型のFreebudsの装着感の良さは想定通りですが、AirPods PROの装着感の良さは予想を上回る出来です。

バッテリーの持ち

バッテリーの連続使用時間はよく使うであろうノイキャンオンの設定で使用した場合、実測でAirPods PROが5時間、WF-1000XM3が4時間半、FreeBuds 3が3時間です。
室内と屋外など使う場所などによって違いはでますが、概ねこのくらいの時間です。

まとめ

ジャンルとしてはノイキャンイヤホンで括られてしまいますが3機種それぞれ個性的です。

野球選手で例えるならWF-1000XM3は身長2m、体重120キロを超える大型スラッガー、肥満気味で鈍足ながらHR王のタイトルを狙える長打力が魅力、守備範囲は狭いが捕球能力は超一流。監督の采配に不満を持ちがちで性格に難ありという問題児。
AirPods PROは打撃タイトルを獲るまでには至らないが走攻守全て揃った優良選手。甘いルックスで女性ファンからも大人気。
FreeBuds 3は堅実な内野の守揃と単打中心ながら2割8分は打てる打撃センスを持った地味だがチームには必要不可欠な選手といった具合です。わかりにくくてすいません。

音にこだわり、ノイキャンにもこだわりたい、常に最高を目指したい職人気質なら、WF-1000XM3が良いと思います。弱点は装着の際の耳への負担が一番大きく、耳穴に合わなければイヤーピースに余計な出費がかさむ可能性があることです。

冒険はせず、安パイを掴みたい堅実な公務員志向な人ならAirPods PROがいいでしょう。失敗する可能性は最も低いです。

予算を抑えてそれなりの機能が欲しい節約上手な主婦みたいな人にはFreeBuds 3がおすすめです。FreeBuds 3の対抗馬は今回紹介した他の2機種ではなく、ワイヤレス充電モデルのAirPodsだと思います。耳穴に合えば、AirPodsよりもFreeBuds 3のほうがおすすめです。よほど近づいてみない限り、周囲の人からはAirPodsをしてると思われることでしょう。

これから購入される方はもう少し待つと、2020年中にBoseからQuietControl30の後継機、BOSEとしては初の左右分離独立型のノイキャン付きワイヤレスイヤホン「Bose Noise Cancelling Earbuds 700」が発売予定です。
性能的には、今回紹介した3機種を超える可能性を充分に備えたモデルになると予想されます。待ってみる価値はあるかもしれません。

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